市民ホスピスへの道




(書評はいずれも共同通信)


『市民ホスピスへの道ーいのちの受けとめてになること』目次


まえがき・山崎章郎・ニノ坂保喜


第一部 いのちを受けとめる町


Ⅰ いのちを受けとめる試み 米沢慧


1 長寿社会のいのちの行方
運動としてのホスピス
いのちの課題
生き方の根底にある死生観

2 住民の手で安心して老いを迎える試み
ー上田市「新田の風」の試み
いのちの受けとめ手という自覚

3 ぼけても住みなれた町で暮らしたい
ー福岡市「宅老所よりあい」
無条件の受けとめ
身寄りになる家

4 ホームホスピスのムーブメント
ー宮崎から「かあさんの家」のつくりかた
一人暮らしからとも暮らしへ
ホームホスピスのムーブメント

5 病院でも在宅でもないナラティブホーム
ー富山県砺波市の「ものがたりの郷」
地元で最期を迎える
エビデンスからナラティブへ
ナラティブホームというあり方

いのちに触れあうこと、受けとめ手になること

Ⅱ ホスピス医25年ーいま考えること 山崎章郎


1 ホスピスケアへの道のり
人生観が変わる出会い
ケアが足りない
「生きている意味がない」

2 スピリチュアリティという視座
直面する様々な苦しみ
「スピリチュアルペイン」はなぜ「スピリチュアルペイン」と表現されるのか
四つの苦痛
人間の存在とスピリチュアリティ
スピリチュアリティの定義

3 内省を深める支援
自己の在り様
自己と他者の関わり
スピリチュアリティが力を発揮するとき
内省を深める支援=スピリチュアルケア

4 思いを動かす
苦しみの構造
思いを動かす条件
傾聴の力
「生きたい気持ち」が働きはじめる
「スピリチュアリティ」にあたる日本語
見出される生きる意味

Ⅲ 在宅ホスピスは途上国に学べ 二ノ坂保喜


1 ホスピスを振り返る
貧困と無知とのたたかい
わが国のホスピスの学びと失敗

2 コミュニテイの知恵に学ぶ
インド・ケララ州の衝撃
共に学び、共に生きる
病気の根本にある「貧困」
インド・ケララ州の緩和ケア
進んだコミュニティ緩和ケア

3 途上国に光を見出す世界から学ぶべきこと
アフリカの緩和ケア
バングラディシュの緩和ケア

4 人々のなかへ
ホスピスから描いた夢
バングラディシュに看護学校を
いのちを守る闘い

Ⅳ ホスピスという風ーいのちを受けとめる町 山崎章郎×二ノ坂保喜×米沢慧


「ホスピス」の力
壊してでも乗り越えないといけないもの
医療を主体とするケアの危機
医療からの解放としてのホスピスケア
思想としてのホスピス
ケアの力が地域社会の力に
終末期ケアが医療保険の対象に

医療から地域の問題へ
施設から町の中へ
「3人の会」の発足

いのちを受けとめる町へ
とも暮らしの可能性
よき最期の条件
在宅ホスピスを語る会
取り組みはどのように広がるか
ボランティアが支えに
市民社会の力

過去にとらわれない
枠組みを超えた動き
よい例が制度を変える
問われる都市での受けとめ方

第二部 ホスピスは運動である


Ⅴ 子どもホスピスから世界を見る 二ノ坂保喜


1 はだかのいのちを見つめて
いのちの危機に目を向ける
地域のケアの力を育てる
〈はだかのいのち〉を地域に開く
「小さなたね」の取り組み

2 子どもホスピスから考える
イギリスの小児ホスピスから学ぶこと
教育的視点も必要
子どものグリーフケア
重なり合う〈パブリック・ヘルス〉と〈緩和ケア〉
託すことで失われる〈ケアの力〉

Ⅵ 地域包括ケアシステムと在宅ホスピスケア 山崎章郎


1 多死社会を迎えて
ホスピスケアの展開
増えるがんによる死
なだらかな死・突然の死
終末期のがんの特徴
悲嘆へのケア

2 ホスピスケアから見えた本質
尊厳を守る視点は同じ
ケアタウン小平の取り組み
見えたきた課題と答え
専門診療所の制度化を
地域全体で取り組む

Ⅶ 市民ホスピスへの道 米沢慧


1 近代ホスピスへの流れ
ホスピスは運動である
近代ホスピス200年の系譜ー5人の母

2 日本のホスピスの流れ
「死をみとる」専門病院
1980年 第一回世界ホスピス会議
1990年 緩和ケアと日本のホスピス
ホスピス医の誕生

3 市民ホスピスへの道
ホスピス運動第3期ー21世紀のいのちの状況
市民ホスピス運動への一歩として

ⅷ ホスピスは運動であるーいのちの受けとめ手になること 山崎章郎×二ノ坂保喜×米沢慧


はだかのいのちにふれて
どんな人でも生きられる社会を
医師の視点を離れて
ホスピス思想の根底にあるもの
のこされる遺族の「受けとめ」
子どもの問題から気づいたこと

生活の延長にあるケア
在宅ホスピスケアの発想
人権運動としてのホスピス
ホスピスのあり方
大切にしたい「言葉」
ホスピス運動の本質
ホスピスケアの役割

いのちに向き合うことば
1000人と向き合って得た確信
現実を受けとめる力
信頼をおく
ときに支え、ときに寄り添い、共にある

受けとめられ、受けとめる
生まれること、死にゆくこと
他者との関係性のなかにある
「お迎え」現象

あとがき 米沢慧


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